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Church’s Graftonについて

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革靴
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外羽根ウィングチップの名作の一つ、Church’s Graftonについて紹介したい。僕のもっている革靴の中でも至高の履き心地とサイズ感、そして使い勝手を誇る一足である。買ったのは結構前のこと。ちなみに、僕の所有するChurch’s Graftonは5都市のものであり、旧チャーチ以前を至高とする根強いファンから批判的な意見もあるのは承知しているが、それを差し置いてもかなりのお気に入りの一足。

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Church’sについて

僕のブログでは初登場のChurch’s。英国ノーザンプトン発の、長い歴史をもつ超一流シューメーカーの一つ。英国革靴の質実剛健という表現を体現したかのようなブランドと思えば、プラダによって買収されて以降、スタッズ靴を作るなど、モダナイズした靴も創造する挑戦的な一面ももつ。なお、他のブランド同様、より詳細な紹介は他のネット情報に任せる。日本国内ではチャーチと呼ばれ、古残新参から愛されているらしい。

Graftonとは

Church’sを代表する靴の一つ、と思っている。外羽根ウィングチップ。大きく張り出したコバからもわかるようにカントリーシューズの一種だが、ラストにはChurch’sのドレスシューズであるコンサルなども採用される173ラストを採用している。また、アメリカンなロングウィングチップかと思いきや、英国らしくウイングはボールジョイント部位に降りつつも、外羽根から伸びるチップがかかとまで伸びているなど、ドレッシーさとカジュアルさが共存する。つまり、ドレッシーさとカジュアルさが程よく調和された一足。他ブランドに類似のデザインはなく、唯一無二の存在感であり、見る人が見れば即座にチャーチのグラフトンとわかる。残念ながら、日本ではShannonや上述のコンサル、チェットウィンドやディプロマットが主流であり、Church’sの販売店でもグラフトンの取扱は多くない。

購入した経緯

外羽根のウィングチップは、フルブローグらしく華々しさをもちつつも、頑丈なカントリーテイストの毛色が強く表現されており、そもそも僕はこのデザインが好き。既にトリッカーズBourtonをもっていたものの、甲が高く、ラストと僕の足の相性の悪さから、次第に履くのを避けてしまい、手放すことに (本当に甲が高く、羽根が閉じる)。

しかし、やはりタフに履けるウィングチップの必要性を感じて調べたところ、この靴に行き着いた。

デザイン

好き。かなり好き。

ウイングチップにはBourtonのようなウイングがボールジョイント部に落ちていくデザイン(ショートノーズ)と、アメリカ靴のようにかかとまで伸びるロングノーズのものがある。しかし、Graftonはどちらでもあり、どちらでもない唯一無二のデザイン。

下の写真を見てもらえればわかるだろうか。ショートノーズのようにウイングは下がっているが、外羽根からかかとへブローグが伸びている。かっこいい。ドレッシーさとカジュアルさが絶妙に共存している気がする。あぁ、かっこいい。

ポリッシュドバインダーカーフ

この靴が頭にちらつくようになってから実際に購入に至るまでは時間を要した。その最大の要因が、Church’sのアイデンティティの一つでもある、ポリッシュドバインダーカーフである。

「ガラス革」にも属されるこの革は、表面に樹脂加工がされている。そのため、
①雨や汚れに強く、水拭きや乾拭き、ブラッシングで容易に輝きを取り戻すことができる
②そもそも輝きが強い
③頑丈である
④コードバンとは似て非なるシワの特徴と魅力がある
といった利点をもつ。

その一方で
①経年変化に乏しい
②使用とともに表面樹脂が割れる
③固い
という欠点ももつ。

経年変化は自身の中で重要視しているため、非常に悩んだ。しかし、以前所有していたBourtonのように雨でも気兼ねなく履ける靴の重要性と、好きなウィングチップということで、所有する価値が高いと判断し、購入に至った。

プレメンテ

他のカーフシューズ等とは違い、バインダーカーフであるという性格上、プレメンテの選択肢は少ない。僕が採用したのは以下の手順。

① 湿った布で水拭きした後、乾拭き
② サフィールノワールスペシャルナッパを塗布。写真がないが、ほんとに若干だが革がクリームを吸収し、潤っていく様子を感じた。インナーライナーにも念入りに塗り込んだ。
③ ボールジョイント部位を中心に揉み込む
④ さっと乾拭きして、紐を通す

②の過程で使用したスペシャルナッパは、多分ポリッシュドバインダーカーフに対して最適とは言えなさそう。③の揉み込み時に明確に柔らかくなったのはわかったが、おそらくライナーに塗り込んだことが影響していたと思う。後に購入したM.モウブレイプレステージのクリームエッセンシャルが適していたと思う。洗浄、保革、ツヤまでこれ一本でまかなえる。他には、保革と艶出しに同社のクリームナチュラーレがよい、など。コードバンにも使用できる。というか、M.モウブレイ社ぐらいしか、ガラスレザーにも使用できるという記載のあるクリームが見当たらない。このクリームは後にGraftonの手入れ用とコードバンの手入れ用に購入した。

③の揉み込みは、靴擦れ対策ではなく、シワ入れ対策。折れ曲がったシワが付くのはこれで回避できる。

サイズ感

足長27.0 cmちょい、足囲26.0 cmほどの足だが、8.5Fがジャストだった。僕が所有する靴の中で、最もジャストサイズかと。なお、同ブランドで同ラストのコンサルも8.5Fを試着したことがあるが、コンサルのほうがややタイトだった。内羽根と外羽根の違いなのかもしれない。同一ラストでもデザインによってはサイズ感が異なることを初体験した。

迫力のあるコバに、ややドレッシー気味なラスト173が織りなすデザイン性は、履き心地にも貢献している気がする。トリッカーズバートンではボールジョイントから指先にかけて幅も高さもゆとりがあることに加え、甲が高いため足が中で動きがちだった。しかし、グラフトンではボールジョイントはぴったり、甲も低めなため足が固定されていて心地よい。羽根も1.5 cmくらい開く。かかとも収まりが良い。

購入当初は、ポリッシュドバインダーカーフの硬さに加えてダブルソールという性質上返りが悪く、決して快適ではなかった。しかし、これはほぼすべてのグッドイヤーウェルテッドの靴がそうであり、グラフトンに限ったものではない。むしろバートンやウエストンゴルフのほうが硬かったかも。しかし、超ジャストサイズだったこともあり、ボールジョイントに痛みを感じたりすることはなく、返りの悪さが解消されて以降は、サイズ感は快適。

ラバーソール仕様

僕のグラフトンは、ラバーソール仕様のGrafton LWというタイプ。ポリッシュドバインダーカーフである以上、雨でも気兼ねなく履けるのであればラバーだろう、という理由。LWというのはライトウェイトソール (Light Weight Sole)。ダイナイトソールのような見た目。しかし、履いてびっくり、ふわっふわの感触である。まるで絨毯の上を歩いているかのよう。通常ダイナイトソールは硬く、コッコッと歩行音を奏でるが、この靴ではそのような音は鳴らず、ふわっふわ(二回目)の歩き心地。ジャストサイズであることも相まって、歩いていて疲れはあまり感じない。また、その名の通り、軽量。ダブルソールでストームウェルトもあって、カントリーテイスト満載にも関わらず、重量感は感じない。

一点だけ難点をあげると、LWタイプのチャーチの靴は出し縫いのピッチが大きく、ウェルトの目付けもない。そのため、やや荒さを感じ、高級感は薄れているような印象。これは購入してから気づき、やや後悔したところ。

まとめ

デザインよし、履き心地よし、汎用性よし、の優等生。Churchの革質が下がったとか言う声はたくさんネットで見るが、それを差し置いても満足度は高い。そもそも昔のChurchの革質知らないし。

経年変化には乏しそうな革ではあるが、いつか雨にガッツリ降られたあとのGraftonをブログに残そうと思う。

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